あらすじ_11_22


ヘリウム3生産事業が始まって3度目の木星常駐。作業プラットフォームの構築作業は一旦完了し、整備されたロビーを歩く理沙は感慨もひとしお。
さらに連絡船も渡航のたびに生活空間が整備され、2か月の長旅は地上での客船での旅行にも劣らないものとなっていた。
ヘリウム・水素輸送船が生産プラントから到着するのを、理沙は2度ほど眺めることができた。木星で生産された成果物を生で見るだけでも感激。
2か月間の常駐期間はあっという間に終わろうとしていた。ちょうど同じ頃、地球では大統領選の最終段階で、
「エンデヴァー」元船長の対立候補とのディベートを、指令室で作業員と一緒に眺めた。元船長はこの成熟した世の中に必要なフロンティアについて説き、
成熟と繁栄は、油断と停滞の世の中の前兆だと、危険性について説いた。対立候補からはさんざん批判と指摘にさらされることになったが。
本部メンバーが地球から到着し、協力会社リーダー交えて作業の引継ぎを行った後、理沙は苦労を共にした協力会社リーダーの労をねぎらい、
展望室で一緒に食事をした。窓の外には1隻の連絡船がまもなく接岸しようとしているのが見えた。



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