あらすじ_11_24
メンタル女が乗った連絡船が土星に向かうのを見守った後、ふと気になった理沙は本部の社員情報にアクセスして、彼女の職務情報を調べたところ、
理沙の管理者権限でも、彼女の現在の職務情報の照会ができないことがわかった。非常に気になり次世代システムの部署に確認したが、
明確な理由は判明しなかった。腑に落ちない気分のまま、3日後、理沙の地球への帰還の日がやってきた。
連絡船で地球へ向かう途中、理沙は個室で大統領選挙の結果を気にしていた。投票は完了し、開票と同時に即時で結果が判明する。
地球では既に30分以上前に結果が判明しているものの、開票時刻を待っている間理沙の気持ちは高揚してきた。
結果はあっけないもので、拮抗した数字になるとの大方の予想に反して、元船長の得票総数は全投票数の3割にも満たず、
全州のうち選挙人を獲得できたのは15州しかなかった。圧倒的な負け戦に理沙の気持ちは一気に冷めた。
対立候補の勝利宣言、元船長の選挙戦終了演説は、理沙の目にはあらかじめ仕組まれた戦のように見えていた。