あらすじ_12_03


改良型ラムジェット機の引き渡し予定が確定し、木星へ輸送するための段取りが始まった。予定では4か月後。ストレステストに立ち会う名目で、
理沙の木星常駐の日程も確定した。今回は失敗できない重圧はあるものの、終われば肩の荷が降りるというモチベーションもあった。
木星行きの日程が決まった翌日に、孫娘から会って欲しい人がいると言われ、翌週に彼女は彼氏を連れてやって来た。
以前に会った彼氏も理沙は気に入っていたのだが、今回の彼氏は比較すると少々頼りないようにも見えた。
孫娘は、1年後に結婚する予定だと言った。つき合い始めたのもごく最近のことで、なんともあっさりと決めたものだと思ったが、
世の中いつどんなチャンスがあるかわからないものだと思った。結婚の予定日は理沙が木星から帰還してすぐである。
自分にもし娘がいたならば、いったいどんな心境なのだろうかと、机の上のフォトプレートに加わった彼氏との2ショット写真を見ながらふと思う。
スクリーン画面からのニュース番組がなにやら騒がしく、理沙は現実に引き戻された。議会が何やら再び揉めているようだった。



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