あらすじ_12_13
今回も理沙は無事に帰宅した。孫娘は結婚式の準備で毎日忙しく、理沙は休暇をとり自宅のハウスキーピングをした。
結婚式前日には元大佐が理沙の自宅にやってきた。退役後は自然環境豊かな山奥の別荘に住んでいる元大佐。孫娘の昔話で盛り上がった。
息子娘とは違い、純粋な愛おしさいっぱいの孫娘。実の娘の結婚式前日も一種独特な寂しさを感じたものだが、孫娘の場合は少々違う。
親バカ以上の祖父バカといったところか。しかし家族を持った経験のない理沙にとっては、孫娘に対しては違った想いがあった。
酔いつぶれて寝てしまった元大佐をベッドに寝かせて、理沙は一人庭に出て夜風をあびた。
披露宴の会場で、親友代表の一人として理沙は孫娘からスピーチを頼まれているのだが、いい言葉がなかなか思いつかなかった。
初めて会った時から始まり、多忙な日々の中で徐々にではあるが気持ちを通わせるようになり、彼氏との結婚を聞いた日まで。
何かのイメージが孫娘にオーバーラップしているように思えた。孫娘にも言われたのだが、妹直子のことをいつも引きずっているようだった。