あらすじ_12_20
理沙の仕事の引継ぎはほぼ終わり、月末でリーダーの職も解かれてほぼ相談役のような存在になっていた。軍へ戻る日も決まり、
理沙はリーダーたちを集めた最後の会議に出席した。今まで期間の苦労話はせずに、これから先の課題について理沙は語った。
2年後のフル生産体制の先に、増産の話もありうるということで、木星の資源開発はこの先安泰だと言う本部内の雰囲気に対し、
理沙は、危機感を失った時が最大の危機だという、自らの持論を持ち出した。常に危機感を持ちながらも未来について楽観的に考える事。
ヘリウム3を利用した核融合も、遠くない先に時代遅れとなり、木星の資源プラントが国のお荷物になる時がやってくるかもしれない。
50年後、100年後には木星の資源も枯渇して、作業ステーションが放棄されて無人となる日の事を、理沙は語った。
しかし、人間の想像力と知力には無限の可能性があり、いくら消費しても枯渇することはない。
30年かけて作り上げた木星の資源プラントを、跡形もなく破壊するくらいの意気込みで頑張って欲しいと、理沙は最後に締めくくった。