あらすじ_13_13
中枢システムの深層調査のために、理沙は中央監視室に近いところにある、一見、リラクゼーション施設のような部屋に通された。
気持ちがリラックスできる長いシートに身を横たえて、目を開けたまましばらく待った。すぐ近くで司令官と行政官、調査チームからはリーダーが立ち会う。
意識ははっきりしているのだが、視界が徐々にぼやけてゆくのを理沙は感じた。やがて目の前に幻のような映像が浮き上がって見えてくる。
人間の意識信号パターンにも見えるが、中枢システムの膨大な記録イメージをインターフェイス装置を介さずに見た画像イメージである。
記録中に何があるか事細かに調べるのが目的ではない。全体を俯瞰しつつ、中枢システムに接近して矛盾点を掘り出すことが目的だった。
やがて理沙は、部屋全体が輝く光の箱に変化してゆくのを見た。理沙は中枢システムの意識に立ち入ることになった。
光の箱の壁には、無数の映像が貼りついている。基地で生活する1200人すべての意識からみた現実であり、中には事故で死んだ者も含まれる。
事故で死んだ人間の意識に目を向けたそのとき、強い力で跳ね返され理沙は元の世界に戻された。見守る3人が理沙の顔を覗き込んでいる。