あらすじ_13_15
二度目の事故の犠牲者が地球へと搬送される日がやってきた。一度目と同様に冷凍保存され、遺体を搬送するシャトルが上昇するのを
理沙はしばらくの間眺めていた。司令官立ち合いの元行われた実験のあと、調査チームの作業はいったんは中断したが、
リーダーは理沙の行った深層調査の結果を重要視し、現物調査だけでは判明しない非常に深いところで、現実、非現実の乖離が発生し
非現実の部分で発生した矛盾が現実に影響を及ぼし、収支がつかなくなっているのではないかと推論していた。
メンタル女の残した、不安の正体はこのことだろうかと理沙は思いを巡らせつつ、ホテルの部屋でベッドに横たわり考え事をしていると、
先日の実験の時のように、眠気は感じないのに視界が徐々にぼやけてきた。場面が一瞬にして切り替わり、広い格子状空間の中で体が浮いていた。
基地にいるすべての人の意識の側からみた膨大な映像パターン。理沙がひとつひとつの映像に注意を向けようとすると、
各映像パターンの方が理沙に向かってきた。光の洪水のように理沙の意識の中に流れ込み、押しとどめようとしても勢いを増して止める事ができない。