あらすじ_15_02
絶望的と思われていた理沙だったが、低温の状態で生命活動が極限までに低い状態であった事がわずかながらではあるが希望につながった。
理沙の発見の知らせが軍上層に伝わると、木星の作業プラットフォームの医師たちに対して、生命維持のための作業指示が伝えられた。
理沙の体は特別に配合された液体の中に漬けられ、人工呼吸器と栄養補給のための制御ユニットに繋がれ、慎重に体温が上げられた。
現場の医師たちは単に、地球の軍側の医師チームからの指示のもとに作業をしているだけで、作業詳細の理由についてはすべて極秘事項である。
見た目にはまだ生きているなどというのは想像もできなかったが、脳波の動きを示すモニター上のグラフ表示は、徐々にではあるが波が大きくなり、
救助から3週間後には、生命維持装置一式含めた大きなコンテナが地球に向かう旅客船に積み込まれ、2か月間の地球への旅に出発。
コンテナが地球に到着すると、理沙が最初にサイボーグの体で目覚めたテキサスの病院の集中治療室に収容され、回復に向けた処置が始まった。
当時に理沙の手術を行ったスタッフは既に退職していたが、現在のスタッフ達も手際よく回復作業を行っていた。技術は確実に継承されていた。