あらすじ_15_08
士官は、調査メンバー6人が高速艇で地球に向かう判断をしたところから説明を始めた。高速艇がトラブルのために作業ステーションに帰還する途中、
船長の指示で理沙は救命ボートに入ったものの、自己の判断で救命ボートのドアを閉じ、救命ボートを発進させた事。
システムトラブルで高速艇が危険な状態にあるにもかかわらず、自己の身を守るためだけに行動し、乗組員含めた17人を見捨てた事。説明は続く。
そこで理沙は士官の説明を遮り、事実とは異なると反論した。救命ボートのドアは突然に自動的に閉じて、懸命の対応にもかかわらず救命ボートは発進、
そのあとは通信機器も全く使い物にならず、2か月間木星周回軌道上を漂流し、瀕死の状態にあったことを訴えた。
理沙が発言している間、少将と士官、そして上司の大佐はしばらく何も発言しなかったが、理沙の発言が終わると士官はただ一言、
当報告書は、高速艇の残骸から回収されたフライトレコーダーやモニターデータの記録からまとめられたもので、事実に基づいていると述べた。
必要であれば、回収されたモニターデータを見せることも可能だと士官から言われて、理沙は了承した。