あらすじ_15_14


軍法会議が始まる前に、理沙は弁護人との事前打ち合わせを行った。弁護人は軍の中から選出された人物で、過去には前線で指揮を行っていた士官。
様々なケースの違反行為についての軍法会議で、弁護人を担当した経験があった。理沙は弁護人から軍法会議の進め方についての説明を受け、
争点となっている事故について想定される追及について議論した。そもそも今まで提出された状況証拠は間違っていると理沙は思っており、
議論は平行線となっていた。士官からの最初の説明の場で、理沙は頭ごなしに全否定されたのに対して、弁護人は議論は平行線であるものの、
何がしかの交差点を見つけようと努力する姿勢に、理沙は徐々に好感をもつようになってきた。一通りの理沙からの意見を聞いたのち弁護人は、
状況証拠から導かれる結論は、すべて理沙の非を証明するものばかりだが、理沙本人が違和感を持っている以上、証明の手段はなくとも、
疑わしきは被告人の利益にとの原則にのっとるべきである事。地道に有利となる新事実を探し出して無実を証明する事。
孫娘からかけられた簡潔だが力強い言葉。さらに優秀な弁護人の助けを得て、理沙は軍法会議の場に向かうことになった。



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