あらすじ_16_02
軍法会議が再開した。弁護人は事前に理沙と相談した通り、提出された画像データ、フライトレコーダーやモニターの記録すべてに対して
信ぴょう性を問いかけた。原告側は早速意義を唱え、大量の証拠に対して異議を唱えるのであれば、反論の証拠を提出しない限りは
虚偽を唱えているのと同じことで、非常に罪は重いと息巻いた。感情論に近くなっていることに理沙は情けなく思えるほどだった。
引き続き弁護人はシステムの介入についての可能性について異議を唱えた。タイタン基地での事故についての報告レポートの開示と
提出されたデータ各々に対する中枢システムの介入の可能性を問いかけたが、却下された。今回の事故と関係のないことについては扱えず、
タイタン基地の事故については、まだ報告レポートは分析中で、最終的な結論が出ていないため裁判の場では取り上げないというのが原告の言い分で、
議論はここで再び頓挫してしまったが、理沙と弁護人にとってはこれも想定の範囲内であった。
傍聴席に座っている上司の大佐と一瞬だが目が合った。裁判を見守るだけで手助けできず、かなりストレスが溜まっているように見えた。