あらすじ_16_07


裁判長から理沙への説明が始まる。真実がもし証拠として提出されたデータと異なり、理沙の記憶していることが正しいと仮定するならば、
今回の裁判の争点は社会の根幹を支える中枢システムの信頼性を疑うものであり、世界はいつ崩壊してもおかしくない不安定な状態にあること、
社会的影響は計り知れないと裁判長は述べた。そして理沙に社会的な影響の重大さについて認識はあるかと問いかけた。
この点については、弁護士と事前に会話したシナリオに含まれていたので、裁判長に対して理沙は簡潔に社会的影響について答えた。
しかし発言に虚偽があればその罪は計り知れないとの裁判長の言葉には、自身に罪の認識はなくとも理沙の心には重くのしかかった。
次回の弁論まで理沙は自宅に戻った。証拠データと理論の応報の裁判ではあるが、今回の裁判長の言葉になぜか理沙は精神的にダメージを受けた
自宅で孫娘の前ではいつものように明るく振舞うが、一人書斎で過ごしているとこの先の裁判の展開に気持ちが折れそうになる。
ちょうどその時、職場を離れている理沙を心配して、上司からの監視を気にしながらも部下からの励ましのメールが理沙の元に届いた。



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