あらすじ_16_11
タイタン基地の司令官の証拠人招致は終わった。内容に満足できない理沙と弁護人は裁判所を後にし、翌日に再び出頭すると裁判長から
理沙の記憶データ分析に関する要望事項について、検討結果が告げられた。望みは低いと思い込んでいた2人だったが、
予想に反して、分析を行うための準備が現在進行中だという連絡を受けた。前例がない事なので準備には時間がかかるとの事だったが、
要望が受け入れられたことを驚き、理沙は自身の主張の裏付けとなるデータが取れれば、形勢は有利になるだろうと考えた。
原告は不満を示したが、その日は閉廷となり、少し軽くなった気分になった理沙は自宅に戻ると久しぶりで気持ちよく眠ることができた。
夜中に突然に目が覚めて、理沙はベッドに横になったままで記憶分析はどんな状態になるのだろうかと想像した。
30年前に事故に逢ったとき、非常に長い間時間の感覚も感じることなく、夢も見た記憶も残っていなかったが、
実際にはたくさんの機械に取り囲まれて、全身を不活性の液体に包まれて浮いた状態だったということを後から聞かされていた。