あらすじ_16_14


軍の研究施設で理沙の記憶分析が始まった。頭にはセンサー類が埋め込まれたパットを巻き、全身各所には身体の状況をモニターするための
センサーつきケーブルが取り付けられた。理沙はベッドに横たわり意図的に眠らされた。隣の部屋では数人のオペレータが画面表示を見守り、
オペレータの部屋の背後からガラス越しで裁判の関係者が作業を見守っていた。作業のひとつひとつの意味するところは理解できないが
オペレータたちの中央には、理沙が見ているであろう光景が映し出されていた。2年近く前、理沙が乗り込んだ高速艇の船内が精密に再現されていた。
ちょうど同じ頃ワシントンの軍本部では、関係者たちが集まり理沙の軍法会議の状況についての報告会が行われていた。
会議の場には、理沙の上司である大佐も出席している。報告の内容は形式的なもので、理沙の記憶分析が実施中で結果待ちという事だけ。
タイタン基地の司令官の証言内容の分析が今回の本題となっていた。2年前のタイタン基地の事故についての分析が大詰めを迎え、
中枢システムの信頼性が大きく疑われていた。タイタン基地の事故が世の中を根底から揺るがすことになるのか。全ては理沙の記憶分析にかかっている。



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