あらすじ_16_19


再び現実世界に戻され、理沙は再び研究施設のベッドに横たわっていた。全身に取り付けられているセンサー類が取り外されるのを待っている間、
理沙は天井の一点を見つめたままで身動きせず、この後いったいどうなるのだろうかと考えていた。その後特に説明もなく個室で過ごすことを指示され、
翌日には弁護士から収集されたデータの分析状況について説明を受けた。上司と孫娘とも会ったが、他愛もない会話があっただけで、
2日間の個室での監視状態ののちに、帰宅することが許された。再度軍法会議の場に出頭命令があったのは1週間後。
裁判長からの判決は非常に簡潔なものだった。高速艇の事故に関して理沙の責任追及は行われず、職務に復帰が可能な事が告げられたが、
記憶分析の結果と考察については一切触れられることはなかった。裁判官から質問を求められたが、理沙からの質問はなく結審した。
上司と一緒に裁判所の出口まで並んで歩いたが、二人は無言のまま。上司にかける言葉を理沙はなかなか思いつかなかった。
外は澄んだ夏の青空。世の中から隔離された理沙の長くて孤独な闘いは、ようやく終結することとなった。



あらすじ(16)表紙へ