あらすじ_16_22


上司からの推薦で、理沙は士官学校の卒業式の場で候補生に話をすることになった。特にかしこまった事を話す必要はなく、
軍を指揮する候補生のためにふさわしい激励をすればよいとの上司からの説明に、理沙は自分の今までの軍での経験を振り返った。
開発局での経験が長かったので、世の中を支えるインフラ構築の中核にかかわったことを話そうと思ったのだが、
世の中では知られることがない、軍法会議での孤独な闘いについて話すことに決め、一晩かかって原稿をまとめあげた。
軍法会議の争点について触れることはできないが、理沙は士官の重責と孤独感について、軍法会議での自身の経験も交えて説明した。
まわりがすべて敵のように思え、孤独でつらい闘いであっても逃げずに立ち向かい、自分が間違っていないのであれば最後まで意志を貫き通す。
来賓の軍幹部や官僚たちは、軍法会議の内容を持ち出したことで表情を変えたが、そこを逆手にとって理沙はユーモアで話を締めた。
会場はどっと笑いに包まれ、候補生からの喝采を軍幹部も官僚も止めることはできない。理沙はようやくつらい体験の仕返しをすることができた。



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