あらすじ_17_04
届いたメールに目を通したが、理沙はすぐに閉じてしまった。理沙に助けを求めている内容だったが、思い出したくないものについて触れられていて、
読んでいてあまり気持ちの良いものではなかったからだった。しかしなぜか気になる内容。翌日理沙は店で客の相手をしながらも、
相手がどんな気持ちで理沙にメールを書いたのか、あれこれ推測しているうちに客から声をかけられているのに気づかなかった。
3度呼ばれて理沙ははっとなって客の元に向かった。注文された料理をその客の元に渡し、再びカウンターに戻ろうとしたところで、
理沙が思い悩んでいることを気にして、何かあったのですかとそれとなく尋ねられて、理沙は笑いながら昔の友人からメールがあったことを話した。
客は初老というにはまだ早いが、髪に少々白いものが混じっている男。店に顔を出すようになってからまだ3度ほどであるが、
店のところどころに飾られている木星、土星の写真、店に流れている曲の事で話をしたことがあった。
ちょうど今店で流れている曲は「Vanishing(*1)」。理沙が昔夜の店で働いていた頃に歌った事のある曲だった。
*1 「Vanishing」作詞:Carey Miriah / 作曲:Carey Miriah、Margulies Benjamin