あらすじ_17_06
一時期は安泰な経済状況の米国だったが、疲弊した経済状況の世界各国と同様に、永続する安定というものはいつかは終わるもの。
さらに運の悪いことに、可採可能な資源の急速な減少、そして少ない資源を奪い合う不穏な世界情勢。そこにとどめを刺したのが未知の感染症だった。
医学が進歩しても未だに正体のつかめない未知のウィルス。全世界で増え続ける感染者と死者のニュースは毎日の定例ニュースとなり、
東京も生気を失ったように静まり返っていた。理沙の住んでいる郊外では表向きは平穏ではあるものの、ライフラインには確実に影響が及んでいた。
対して、地球の外では普段通りの生産活動が行われていた。普段から厳格な検疫と隔離体制が普通になっていたことが救いとなっていた。
自動化、省力化された生産システムが生活物資を月や火星の居住地に供給し、月と火星では地球からの供給なしでの生活が確立していた。
木星では年を重ねるごとに増強される資源採集インフラが、太陽系内の物流、地球のエネルギー供給を支えるまで確立していた。
疲弊している地球国家を支えるまでに成長した太陽系内の資源インフラと物流システム。しかし、現時点全く問題がないわけではなかった。