あらすじ_17_10
長官からの依頼は断ったものの、帰宅して少し考えてから、店に従業員を雇うことを考えた。店を開いてから2年でようやく客も定着して
ここで閉めるのがもったいないのと、世の中へ少しでも貢献できればとの思いからである。感染症の蔓延で景気が縮小し雇用が冷え込んで
職を探している若者は山ほどいた。求人案内を出すとさっそく何人かの女性が理沙に連絡をしてきたので店の雰囲気に合いそうな何人かと面談した。
長官には先日の依頼のことはもう少し考えさせてほしいとメールしたところ、気持ちが決まったらいつでも連絡をして欲しいと返事があった。
その後、元上司からも何度かメールがあったので、そのたびに理沙は新型宇宙船の建造の進捗についてそれとなく尋ねてみたところ、
断片的だがリーダーから聞いた話として新型宇宙船の進捗状況が届いた。元上司にはまだ事業団長官と会ったことは伝えてはいない。
事業団側の人間として、新型宇宙船の関係者として参画したらどんな波乱の状態になるだろうかと理沙は想像したが、
決まるまでは今のままで静かに生活をしようと考えた。理沙は週4日は店を開き、残りの3日は手記を書くことに専念した。