あらすじ_17_14


その女性は理沙を見るとすぐにわかったのに対して、理沙は思い出すのに少し時間がかかった。40年以上の年月は2人の間に大きな隔たりとなり、
その女性の姿はすっかり変わっていた。理沙が尊敬し、若いまま亡くなった女性歌手の当時のマネージャーは、理沙の変わらない姿に驚き、
理沙も記憶をたどりようやく思い出す。どうやって理沙が東京に戻って生活していることを知った経緯から始まって、2人はそのまま閉店まで語り、
近いうちに会う約束をした。1週間後に理沙の自宅で2人は昔話の続きをした。さらには別れたあと今日に至るまでの互いの話もした。
元マネージャーは、芸能事務所を転々としながら歌手のマネージャーを続けたが、ふと思うところあって社会問題を扱うジャーナリストになり、
40年前に担当した女性歌手にスポットを当てた小説を書き始めようとしたところで、理沙のことを思い出したとのことだった。
一人は将来を期待された女性歌手、そしてもう一人は夢を掴もうと努力しながらも才能がないことに気づき夢を諦めた女性歌手。
それぞれの最後のコンサートに向けた物語を書きたいというのが彼女の考えで、ぜひとも手伝ってもらいたいと元マネージャーは理沙を誘った。



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