あらすじ_17_16


太陽/地球L3での3年間の生活は、単調極まりなく、工作船の乗組員たちは半年ごとに交替していた。2人の士官を除いて。
女性士官は単調な生活を楽しんでいるようにも見えた。決められた時刻に中央監視室で宇宙船建造プロセスのデータに目を通し、
ひたすら機械的にチェックしていった。はた目には儀式のようにも見えるその作業を終えると、船側面の窓から小惑星全体を眺め、
自分の部屋に戻っていった。部屋の中で彼女は報告を詳細にまとめて、定められた時刻にリーダーである少佐に送る。
食事も一人で静かに食べる事が多い。唯一、作戦責任者の中佐とは時々食事をすることがあり、いつもは口数が少ない彼女だったが、
中佐とは仕事や仕事以外あれこれ会話しているようである。船も完成が近いので完成したら乾杯でもしようと中佐は言う。
しかし、女性士官は笑みを浮かべただけで真に受けなかった。中佐はつかみどころのない彼女の性格に時々呆れることもあったが、
仕事に対する異常なまでの熱意に対しては心から尊敬していた。そして、時々見せる物憂げな表情を中佐はいつも気にしていた。



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