あらすじ_18_03


意識はあるのだが、手足の感覚が全く感じられない。今日が何月何日何曜日か考えても思い出すことができない。そもそも視界がひらけない。
それでも夢の中ではないという感覚はあった。自分が何者なのかということも思い出せる。しかし、全くの暗闇の中で身動きが取れないことがもどかしい。
起き上がろうという意志はあるのだが、体が言うことを聞いてくれない。全身が縛り付けられているのか、金縛りにでもあったのか。
夢の中にいるのか、それとも起きて意識があるのか区別がつかないような状態が続く。苦しさもなく、心地よいような中途半端な状態。
夢の中にいるような時間の方が長くなってきた。いったいどれだけの時間を過ごしているのか。まずは自分の置かれている状態を知りたかった。
しかし、相変わらず起き上がろうと意志を持っていても、体が動かない状態だった。寝ていても寝返ることができないのと、目が開かない。
暗闇は続いたが、徐々にではあるが全身が生暖かい感覚に包まれていった。不思議と呼吸をしている感覚がない。
意識はあるのだが、呼吸をしなくともいつになっても苦しさが感じられない不思議な状態。いつになったらこの状態から抜け出せるのか。



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