あらすじ_18_04
木星への出発まで2か月前となった。理沙はテキサスの事業団施設に到着し、新型宇宙船に乗り組むことになる職員全員が一同に集結した。
総勢160人の乗組員。そのうち管理職は理沙を含めて10人。太陽/地球L3で宇宙船出発準備をしている32人とは4か月後に木星で合流予定。
現場からは中枢システムの起動が完了した事、出発に向けての内部設備の準備状況が報告された。木星から大量の輸送船が到着し、
燃料補給が始まり、核融合炉の起動テストが今週中に行われる事、データだけでひたすら予習していたことが次々に現実になるのを見ると、
理沙は気持ちが徐々に高まり、早く現物をこの目で見て手で触れたくなってきた。残っているのは軍/事業団間の調整のみ。
しかし、事務的なことは現場や技術者が淡々と進めているのに対して、管理職メンバーが集まるとなぜか異様な雰囲気だった。
会議室の10人の管理職は、事業団側が4人で数では負けている。木星到着時には8対4にまでその数は差が広がってしまう。
軍出身の理沙は士官たちに囲まれても全くの平常心だったが、慣れていない他の3人をいかに堂々とさせるか。通算3回目の会合が始まる。