あらすじ_18_07


連日続いた調整会議が終わり、宇宙船の幹部メンバーの役割が決まった。理沙は3人の指揮官の代表となり、実質上の艦長扱い。
ただし任期は3年で、3年の間で次の幹部メンバーを育成すること。3人の指揮官は暫定扱いであり、育成した人材が船の要職を引き継ぐということで、
長期的な管理の継続を目指していた。数十年、数百年単位の長期間航海を想定したものであり、船自身も数百年の運用を想定していた。
2人の指揮官は、まずは160人の運用メンバーとともに木星に向かうことになっている。太陽/地球L3出発時の32人の技術者と木星で合流後は、
技術者から運用引継ぎを行い、指揮官3人体制で2番艦以降の到着に向けた準備を進めるが、当面は木星のインフラ管理要員を兼務する。
管理体制が形になってきたので、理沙は指揮官3人での定期的な会話の場をリモートで作業中の女性士官に提案をした。
しかし、理沙のメールに対する女性士官からの返事は、木星で直接会ってからにしましょうと、短い非常に味気ないものだった。
彼女からのメールに理沙は少々腹がたったが、木星のインフラ部門との会議も増え、それどころではなくなった。出発まで残り3週間を切っていた。



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