あらすじ_18_08
理沙が店をあけてから3週間が過ぎた。しばらくの間顔を見せなかった初老の社長が店に現れた。ほかの客は今まで通り店で盛り上がっていたが、
彼は理沙が不在の店内で落ち着かない様子だった。カウンター席で店員から声をかけられて、何も気にしていないような素振りをしたが、
店員から理沙の話題を振られて、彼は寂しい気持ちを正直に話した。不景気で会社の深刻な状況について店員との会話がしばらく続いたが、
やがて女性店員は何も言わずに封筒を彼に手渡した。理沙から出発前に預かったもので、社長は受け取ると封筒の中の一枚のメモに目を通した。
彼の表情からメモの内容について想像する女性店員。社長は苦笑いをしてそのまま封筒をジャケットのポケットの中に入れる。
店員はメモの内容には触れなかったが、やがて社長の方からメモの内容について触れた。いわく、「3年後に戻ってくるので待ってください」と。
なぜ彼にだけメモを残したのだろう、3年後に戻ってくるという意味深な内容も気になる、女性店員はその後も閉店まで彼の相手をしたが、
2人だけの間にある微妙な空気を気にしつつも、その夜帰宅すると理沙へ手紙を渡したことについてメールをした。