あらすじ_18_09
時間だけがだらだらと過ぎてゆく。相変わらず身動きが取れない状態。何が目的で自分をこのような場所に閉じ込めておくのか、
日々不満だけが溜まっていた。目で見ているような視野の感覚はないのだが、まわりの世界で生じている出来事は手に取るようにわかるようになった。
自分を悪者のように決めつけている存在を感じ取った。中枢システムの問題点を追及し、今手を打たなければ破局が起きるはずだと説く人物もいた。
タイタンで実証実験のための施設が建設されて、閉鎖社会でのシミュレーションの結果、システム自身に敵意はなくとも理想との乖離を
自ら手を下した事が判明した。原因を突き止めた理沙が地球に戻る際に、高速艇に事故が発生、故意に事故を起こしたと理沙が犯人に仕立て上げられる。
物事の裏側からすべてを俯瞰し、自分でも手のひらの上で転がすようにすべてをコントロールできるのではないかとの錯覚に襲われた。
全世界を眺めることができる能力があるにもかかわらず、物理的には身動きがとれない。開き直って中枢システムに介入して騒ぎを起こしてやろうか。
ネガティブな想いは徐々にエスカレートしてゆく。息の根を止められそうな脅迫感覚。気持ちが最高潮に高まったところで突然に意識を失った。