あらすじ_18_12
30数年の月日の流れは過酷なもので、社会から切り離された軍の研究施設の中での生活を受け入れるまでにかなりの時間がかかった。
しかし開き直るしかなく、その後は新しく与えられたサイボーグの体に慣れ、社会の役に立つ仕事をしようと心に決め、トレーニングに専念した。
生き残った脳神経と内臓の一部は徐々にサイボーグの体に適応し、脳神経から外部に接続できるインターフェイスは潜在的な能力を発揮し始めていた。
目覚めから1年後、理沙の作成したタイタンでの事故のレポートを目にした彼女は、自身の外部接続能力を活用することで
システム事故を未然に防ぐことができる可能性について、研究所の所長を通して軍上層向けのレポートを提出した。
軍では新型揚陸艦の中枢システムに新しい制御方式を適用することについて検討中だったが、タイタンでの事故の事が問題になっており、
ちょうど同じ頃、中枢システムが故意に仕掛けた罠により理沙は軍法会議で苦境に立たされていた。彼女が提出したレポートは軍上層の目に留まり、
理沙の提示した疑問点の裏付けとなった。その功績により彼女は士官待遇となり、新型揚陸艦の発展型プラン構築に参画することになった。