あらすじ_18_16


理沙が不在になっても、店の賑わいにはさほど影響はなく、常連客は変わらずにやってきて女性店員をいじって遊んでいた。
客層は中高年が多く、娘くらいの年の女性店員2人はからかうにはちょうどよく、どちらかといえば上から目線の理沙に対して娘属性は新鮮のようだった。
ただし、理沙とカウンター席で会話をすることが多かった初老の社長にとっては、娘属性の女性店員は少々物足りない。
それでも変わらずに通ってくれる理由を女性店員が尋ねると、理沙からの手紙に書かれている3年後のことを気にしているだけ。
冷やかしに姉の方が、そんな一言を本気で信じているのと問いかけると、彼は何年だろうと待ち続けると答える。女性店員は思わず笑ってしまう。
店の客も少なくなり、店員と初老の社長はカウンター席を挟んで閉店までずっと他愛のない会話を続けていた。初めて知った事だが、
初老の社長は5年前に事故で妻を亡くし、一人娘も世間に流行っている感染症でつい最近まで入院していたとのこと。
昔には海外の軍で傭兵として働き、理沙が元軍人だという事をつい最近知り、その日から理沙に対して妙な親近感を抱くようになったようである。



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