あらすじ_18_17


有事における決定権については、軍と開発局の間での冷たい戦争のような状態になっていた。そうなることを狙った人選なのかは別として、
指揮官3人が現役/退役も含め軍の出身であるため、話がまとまるかと思えば、また振出しに戻るの繰り返しが続く。
大佐も長引く交渉に徐々に焦りが入ってきて、対して終始悠々としている理沙に軍側がもてあそばれている状態になっていた。
結論として、3人の指揮官は交替で指揮をとることになるため、当直の指揮官が最終決定権を持つという、いかにも無難な結論となった。
最後に、理沙は大佐とテーブル越しに握手をし、事前の段取りは全て終了した。木星までの道のりは半分ほど過ぎて、160人の運用スタッフは
早く新しい宇宙船を見たいと待ち構えていた。そんな中で理沙だけは大佐の後ろに控えている女性士官のことが相変わらず気になっていた。
いまだに正体を明かさない女性士官からは、毎日宇宙船の状況についてのメールが理沙の元に届いているが、内容は極めて事務的で短い内容。
今まで理沙は軍で様々な士官と対峙してきたが、今回は初めてのタイプだった。どんなに冷酷無比な相手であっても動じない自信はあるのだが。



あらすじ(18)表紙へ