あらすじ_18_19


木星到着まで残り1週間。巡洋艦「アトランティス」は到着準備中で、160人のスタッフの動きも慌ただしくなってきた。理沙は大佐をラウンジに誘い
そろそろ女性士官のことを説明してくれてもいいのでは、と問い詰めた。どんなに極悪非道、冷酷無比な士官であっても動じないからと言うと、
大佐は苦笑いして、そのようなイメージの人物ではないと否定した。ただ、士官から口止めされているからどうしても言えない。
と今までのスタンスを変えなかったが、理沙が思っているようなイメージの人物ではないが、まぁ楽しみにした方がいいと言ったきり。
大佐がその後入れ知恵をしたからなのか、その日届いた女性士官からの定時報告は、内容はいつもの事務的かつ冷たい内容だったが、
最後に彼女からの、「1週間後に直接お目にかかれることを楽しみにしてます」の一文に、理沙は非常に意味深なものを感じた。
やがて「アトランティス」は木星の管制区内に入り、船内放送では大気ブレーキ準備のためのアナウンスが流れた。
理沙は自室で軌道モニター表示を眺めていた。「アトランティス」と同じく、巨大宇宙船もまもなく木星周回軌道に入ろうとしているところだった。



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