あらすじ_21_07
上層メンバーも一枚岩ではないようだった。派閥の論理と、背後に業者の影響があるかないかの違いのようだった。比較的に公平な考え方の
一部の上層メンバー向けに、理沙と実施主任は技術的裏付けを中心に、計画から構築に至るまでのマスタープランを説明し、
関わっている協力会社情報を共有した。太陽/地球L3プランを推進している業者と完全に重複している。業者の論理からすればどちらの案が通っても
確実に案件が転がり込んでくるようにしたいだけなのだ。上層メンバーは理沙と実施主任に協力を約束し、その日の個別会議は終わった。
次の日に実施主任は協力会社と会話し、事業団上層メンバーとの会議内容を伝え、最悪、案件獲得できなかった時のオプションについて検討した。
同じ頃、理沙は事業団長官に呼び出されて、長官のオフィスで2人だけの会話をしていた。何日か前に国防総省で国防長官に会った時、
理沙についての懸念事項を再び耳打ちされたようだった。軍からは要注意人物扱いという事で常にマークされているようで、
行動には注意するようにと再び長官から注意された。理沙は3年間の契約期間の話を持ち出そうと思ったのだが、その日は話を切り出せなかった。