あらすじ_21_16

何日か悩んだ末に、今回も理沙は社長に手紙を書くことにした。内容は短いものだったが、気持ちを伝えるのに長々と書く必要はないと思った。
翌朝には荷物をまとめ出発の準備をした。午前中は2人の店員はまだ寝ているので、お昼近くに起きてくるのを待ってから社長への手紙を託した。
翌日、実施主任も家を出ようとしていた。2週間の長い休みを満喫し、家族みんなで過ごすように心がけた。しかし心の中はなんだか落ち着かない。
妻と2人だけになったときにそのことを指摘され、妻からは夫が不在の間ずっと考えていたことを打ち明けられた。予想はしていたが実際に言われると
心の中に強烈に突き刺さる。少し考えさせてくれと言うのがやっとだった。家を出るときに妻と娘たちを強く抱いたが、気持ちは果たして伝わったのか。
ワシントンの駅を降りて理沙との待ち合わせ場所に到着する。待ち合わせ時刻になっても理沙は現れない。いやな予感がして、
電話をかけようかと思った矢先にタクシーが近くに停まり、理沙が降りるのが見えた。飛行機の到着が少し遅れたとのことだった。
理沙の表情を見て実施主任は安心した。それぞれの心の中の混沌とした気持ちを振り払い2人は再び事業団本部オフィスに向かう。



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