あらすじ_21_20
空港では検疫の手続きで予想以上に待たされ、空港内ラウンジで一夜を明かすことになってしまった。ラウンジのソファで眠くてぼんやりした状態で、
理沙と実施主任は雨の降っている外の風景を眺めていた。地球に到着した時とは違い気持ちの高揚感は全くなく、燃え尽きたような状態。
ふと理沙は実施主任に家族のことを尋ねた。理沙は訪問時に食事含め寛大なもてなしを受け、家族の温かさを感じてつかのまの幸せを感じていた。
尋ねられて実施主任は、しばらく笑みを浮かべているだけだったが、やがて家を出る前日に妻から告げられた衝撃的な事実を語った。
再び3年間の仕事に戻ることについて、後ろめたいものはなかったのかと理沙が尋ねたところ。実施主任は、同じ質問を理沙に返し、
意味深な笑みで理沙の事を見つめていた。2週間の夏休みの間のお互いのプライベートな出来事について今日まで語ることはなかったが、
お互いに後ろめたいものを背負っていることがわかり、2人はそれ以上お互いの事を詮索するのはやめた。とはいえ、今回の地球出張のおかげで
理沙と実施主任はお互いをさらに深く知る事になった。シャトルの出発アナウンスがあり、2人は立ち上がった。