あらすじ_22_03
現場の要員が減らされるのは今回が2度目で、5000人削減されると残りは10000人。生産システムの管理運用は最小限の要員で可能なので
その点では問題なかったが、旅客セクションや物流センターでは要員不足が発生することが予想された。致命的だったのは決済口座の制限で
地球からの物資の調達が難しくなることが予想された。食料や宇宙船に必要なサプライ品の地球からの調達に制約が発生しそうだった。
既に自給体制の強化に着手していたのは正しい判断だった。行政官は、今後さらに制裁は厳しくなるだろうと予想していた。
しかし、生産プラントは自動化運用を前提としていたものが、なぜ大量の要員を必要とするのか、コストの観点で以前から問題にはなっていた。
木星は単なる生産のためだけの基地ではなく、太陽系の物流の中心地となり、人が集まり、長期的には生活の場となるべきだというのが理沙の持論で
今でもその考えは変わらなかった。しかし、その考えが足かせとなって身動きが取れなくなっているのではないか、
無理して生活するための場にせずに、すべてを自動化しておけば今回の件で悩まされることはないはずだと会議の場で改めて声があがった。