あらすじ_22_05
理沙が説明を終えると、直子はしばらくの間理沙を直視したままで何も言わなかった。しばらく時間が経ってようやく行政官が口を開いた。
現役、退役者と各々立場は異なるとはいえ、会議室の4人はすべて軍士官経験者であり、上からの命令には忠実でなければと考えつつも、
現場主義の大切さもわかっていた。上官からの理不尽な命令には、時には人道的な考え方のもとに自ら行動することもある。
理沙の考えには一理あるものの、非常に危険な考えであることから、その時が来るまでは4人で内密にすることに決めた。
理沙は会議が終わると実施主任に会い、レーザー発振基地の縮小プランが実現可能であるかについて尋ねた。
予算の承認が降りていないので、あくまでも自主的な技術検証レベルの規模にはなるが、3基までならば建設可能なことはわかっていた。
地球に出張した時に、実施主任はメーカーの技術者と会い、技術検証レベルの基地の設計案について会話済みだった。
要となる中核部品については、実施主任と部下の力だけでは不足していたのでメーカーの技術者に依頼していたが、今回の制裁が大きく影響していた。