あらすじ_22_07
地球政府からの返答が届いた。技術員５０００人の派遣については感謝の言葉があったものの、事を急ぐようにと非常に事務的な指示が続いた。
５０００人を輸送するために５隻の連絡船がチャーターされて、３日後には出発の段取りは整った。しかし気になるのは派遣が一時的と思われたのが、
感染症の検疫が非常に手間であることから、木星への勤務への復帰は非常に難しいとの事。実質上の地上勤務への転換になってしまった。
さらに、決済口座の制限に対する反対意見もあっさりと却下された。レーザー発振基地の建設については不要不急扱いで論外扱い。
しかし理沙は特に落胆することもなく、すべては想定の範囲内で慌てる事もない、粛々と事を進めようと会議の場で管理職の気持ちを和ませようとした。
そこで会議は終わるだろうと思っていたところ、生産現場の管理職の一人が発言した。政府の言いなりに事を進めているだけで自主性がないと。
その管理職の発言に、他の管理職も同調し次々に意見を述べ始め、徐々に会議室の雰囲気は険悪なものになってきた。
行政官がなんとか場を収拾させようとしたのだが、続いて発言を始めた宇宙船側の管理職の発言に直子が同調することになった。