あらすじ_22_09

会議の翌日、行政官が体調不良で入院したとの連絡があった。理沙はさっそく作業プラットフォームCの医療センターに向かい、
行政官の病室に行った。行政官はベッドの上で横になっていたが顔色は昨日と比べて良かった。主治医からの説明では消化器系の疾患で、
元々抱えていた疾患が、心身的ストレスが原因で悪化したとのこと。行政官の補佐が職務代行しているので業務には影響はなかった。
理沙は、寝ている行政官をベッドのそばでしばらく見守ったが、宇宙船に帰ろうと席を立ったところ行政官から呼び止められた。
ベッドの上で起き上がった行政官は、前日の会議のその後の事を心配していたが、気にする必要もないと彼の事をたしなめた。
声には力がなかったが、今が木星の現場にとって非常に重大な決定の時であり、理沙の先日の発言については自分も同じようなことを考えていた事。
もし自分の身に何かあった時には、自分の立場を引き継いでほしいという事を理沙に言った。前任の行政官が交替してから今日まで
理沙は現行政官に対しては心の中で若干距離を置いて対応していたが、彼は本心では理沙の事を信頼し、後継者として考えていたことを初めて知った。



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