あらすじ_22_11
行政官はまだ療養中だったので、理沙は行政官代理と会い、今後の対応について話し合った。5000人を地球へ送り出した直後の大統領声明に、
明らかに居住地に対しての嫌がらせではないかと理沙は思っていた。大統領と直談判したい心境だった。しかし行政官代理は、
今はまだ様子を見ながら対応すべきだと、全く緊急感が感じられない。理沙は気持ちが抑えられなくなり大統領に直接メッセージを送った。
思ったよりも早く大統領、さらには国防長官からも返事が届いた。声明には特に深い理由はなく、瀕死の地球を救うための当然の行動であり、
今まで機会があったはずなのに合理化に取り組まなかった現場に責任があると理沙を追及した。木星も近々に国の直轄地となるため
管理職も不要となるだろうとの言葉に、理沙は我慢が出来なかった。国防長官も大統領と同様の事を述べて理沙の責任を再び追及した。
国防長官は事業団に対して長距離レーザー発振基地の提案を理沙が持ち込んだことを知っていた。国防長官は理沙の考えをたしなめるかのように
危険な考え方は国に対しての反乱だと言った。必要であれば事業団長官に圧力をかけることもできると。理沙は首を覚悟した。