あらすじ_22_14
理沙がなんとか現場をなだめ、騒動はいったんは収まった。宇宙船の中は直接影響はなかったものの、現場での不和の状態はすぐに伝わり、
微妙な空気の変化を感じ取っている直子は、各セクションに対しては規律を正し、士気を高めるような指示を次々に出した。
しかし2人のその行動が、皮肉にも新任の行政官に対する信頼をさらに下げる結果になってしまった。事業団長官は大統領に呼び出され、
その翌日に理沙は長官から叱責された。理沙は再び新任の行政官との間で人間関係から再構築することになった。
その後1か月ほどは恐ろしいほどに現場は静かだった。人員縮小に伴う配置転換は粛々と進み、毎週の管理職会議は淡々と進んだ。
状況が激変したのは管理職会議が終わって自室に戻った時の事。直子から呼び出されて会議室に行くと先ほど会議をしていた管理職たちがいた。
ただし行政官は除いて。生産現場リーダーの一人が単刀直入に、現場からの声として行政官を選挙で選びたいと理沙に言った。
判断を求めるような目つきで直子は見つめている。2人からの鶴の一声で押さえつける事も可能だが、しばらく考えてから理沙は話し始めた。