あらすじ_22_17
行政官候補者が会議室に集まり、ディスプレイに表示されている票数を注視していた。投票時刻に一斉に住民各自は情報端末から投票し、
結果は即座に判明することになっている。投票時刻が刻々と近づく。静かな会議室の空気が異常なほど張りつめている。
投票時刻がやってきた。数字が一瞬にして表示されて結果が判明。全住民の票のほとんどが理沙と直子に集中し数字を二分した。
過半数を超える数字が理沙に集まり、会議室ではため息と歓声があがる。理沙が立ち上がり皆に挨拶し、直子が握手を求めて手を伸ばしてきた。
直子の手を握りしめ、感謝の言葉を述べる。会議室では全員が拍手し、各セクションでは画面越しに作業員がみな拍手と歓声をあげていた。
政府の行動は異常なほどに速かった。知らせが政府に伝わると、大統領はすぐにこれは政府に対する反逆でありクーデターにも等しいと非難した。
火星や月の居住地では、今回の行動は勇気ある行動であり、人類の新時代の幕開けにも匹敵する記念すべき出来事であると賞賛の声があがった。
現職の行政官がまだ抵抗を続ける中、理沙はさっそく住民すべてに対してのメッセージを伝えるべく自室でカメラの前に向かった。