あらすじ_22_18

作業プラットフォームと宇宙船にいる作業員はみな、手を止めて理沙からの最初の訓示を見守った。画面の向こうで理沙は語り始める。
人類が最初に地球外の土地に足を踏み入れて入れてから100年と少々。一時は足取りが停滞した時期はあったものの、核融合技術の実用化は
大きなブレークスルーとなり太陽系内に飛躍するきっかけとなった。しかしながら踏み入れた土地を自分たちの生活拠点とし、
自立して社会生活を営むところまでは至らず、心の拠り所はいまだに地球であることには変わりはない。その点では100年前から進歩はない。
私たちは真の宇宙民族となるために自ら退路を断ち、自立した社会生活を確立するために行動を起こすことをここで宣言したい。
ただしこれは地球と敵対することではなく、地球と国交を断絶することでもない。地球とはお互いに共存の道を選び互いに繁栄すること。
今日は新しいスタートの日であり、木星は太陽系内の要所として今後も栄え、自立した自治区として歩みを始める事をここで宣言する。
訓示を終えて、理沙は胸の中につかえていた物をすべて吐き出したような爽快な気分になった。とはいえ、大変なのはこれからだった。



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