あらすじ_22_21
理沙は勘が鋭く、静かなのは何かを考えているからだと直子と大佐に言った。いずれ行動となって表面化するはずで、その時までは恐れず動けばいい。
生命線を断つなり、自分たちに不利になる事を考えているはずなので、自分たちは生き残りの手段を裏で考えて、戦いになった時の準備を進める事。
さらに、核融合燃料の中核供給基地になっている以上、こちらが供給を止めれば地球が不利になるはずで、その点はわきまえているはず。
戦争の覚悟を理沙の口から聞いて直子は、勝ち目があるかわからない戦争に足を踏み入れて、現場の作業員も巻き込んでどうするつもりか。
理沙はただ一言、先日の訓示で言った通り、地球の心のよりどころから自立して真の宇宙民族となる事。それだけだと言った。
心から本当に望んでいる事なのか、直子は再び念を押してたずねたが、現場の人々のモチベーションを上げ、心を一つにするには大きな意志が必要で、
自分はきっかけを作りたいだけ。それ以上は理沙は語らなかった。直子も理沙の考え知りそれ以上はたずねなかった。
理沙の事を再び見ると、なんともいえないような爽やかな表情だった。直子も自分の立場は気にせず協力しようと心から思った。