あらすじ_24_01
動いている感覚はなく、理沙は自分がシステムが作り出した巨大空間の中にいるのだと認識をした。以前にも体験した場所に今は直子と一緒にいる。
前回は死線をさまよう状態での体験だったが、今回は直子が誘い込んできた。木星と周回する衛星と自分たちの生活する作業拠点たち。
視野が一気に広がったような感覚と、目で見ているもの、見えないもの全ての動きが把握できているような気がした。各作業拠点の行動が
手に取るようによくわかる。しかし今回の目的は全く違うと直子が理沙の意識の中で語りかけてきた。遠くに見える太陽の方に注意を向け、
ほんの少し意識をそちらに向けるだけで視野が一気に変化した。足元の木星が一気に後方に飛び去り、太陽が自分の方に接近してきた。
木星と地球の間では、物流は途絶えたものの、大量の情報がやりとりされているのがわかった。個々の内容は量が多すぎて理解できない。
直子に問いかけたものの、自分と同じように捉えどころがなくてわからないとの事。しかし、何らかの異変の兆候が見られると感じていた。
地球が目の前に見えてきた。大量の情報の出どころが地球であると予想していたが、予想以上の多さに驚いた。邪悪なものの匂いも感じられた。