あらすじ_24_03

揚陸艦の仕様の検討段階で参画していた理沙は、艦の仕様についてはおおよそわかっていた。兵員と搭載火器の仕様と生存能力。
すべてを考慮し直接巨大宇宙船と戦闘を行った場合の結果を考えた。搭載火器と木星のレーザー発振基地の能力比較、
核ミサイルの破壊殺傷能力、接近戦になった場合の双方の被害。非常に恐ろしい結果になることが十分に予想された。
レーザー発振基地を使用した先制攻撃、一発勝負しかないと理沙は考えた。しかし直子は直接攻撃の他に現場のかく乱も選択肢として考えられ、
双方の被害が小さく、うまくいけば揚陸艦を木星側の戦力として取り込むことが可能な案を示してきた。そのためには理沙の協力が必要で、
戦いが成功した場合には、地球政府に対してさらに有利な立場に立てるはずだった。理沙には非常に魅力的な案に思えたが、
懸念事項もあった。果たして自分たち2人が主導して思った通りに事を動かすことが可能なのかということだった。
理沙と直子には把握できないほどの情報の大洪水が揚陸艦にもなだれこんでいたが、どんな意志が込められているのかまず知りたかった。



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