あらすじ_24_08
中央制御室で毎日確認するたびに、揚陸艦が確実に木星へ向かっているのがよくわかった。地球政府はまだ公式に否定しているが、
政府の強硬な方針に反対する個人や団体からの情報で、揚陸艦の位置を確認することができた。木星の周囲を周回する灯台衛星からの
位置測定データも合わせ、リアルタイムでの追跡を行うことが可能になっていた。中央制御室のディスプレイの中央には揚陸艦の位置、
その下には木星管制圏に到達するまでの時間表示が。残すところ1か月ほどを示しており、秒表示の数字がカウントダウンするのを見るたび
テンションが高まる。揚陸艦の位置情報の右側にはレーザー発振基地の状況を示す表示。エネルギー充填開始の時を待っていた。
オペレーターの席の真ん中に作戦テーブルがあり、今はテーブルの立体ディスプレイには何も映し出されていなかったが、
臨戦態勢になると、立体ディスプレイには木星を中心とした位置情報が映し出され、映像を前にして理沙が指揮をとることになっている。
戦略についてのシミュレーションは会議室内で着々と進められていた。定例会議の時刻になったので理沙は会議室に向かった。