あらすじ_24_09
5日後から始まるレーザー発振基地のエネルギー充填に向け、実施主任が中心となった準備が最終段階に入っていた。
揚陸艦が搭載している兵装については、様々な推測が行われたが、兵装を使用する以前に相手を叩くという論理で、まずは先手必勝の戦法、
何段階にも分けた防御を考えた。揚陸艦の攻撃力が最も弱い、木星への最終減速の段階が一番の狙い目で、3基のレーザー発振基地は
その時に合わせて軌道の調整を始めた。並行して進めているのが交渉により互いの落としどころを探るというもので、
毎日のように地球側との交渉が続けられていた。定例会での報告で地球側から聞こえてくるのは、公の報道内容とは全く違ったもので
木星からの核融合燃料の輸送停止はかなりの経済的ダメージのようだった。エネルギー供給や物流には影響が顕著に現れ始め、
地球と木星のどちらが先に音を上げるかの我慢大会のような状況。しかし、会議の場で理沙は地球からの遠回しな弱音発言はすべて無視した。
直子と大佐も同じ意見だったが、自分の主張は変えずに押し通し、相手の発言に変化が見られた時にとことん追求するやり方で進めるつもりでいた。