あらすじ_24_10
レーザー発振基地の100パーセント全量のエネルギー充填が始まる。中央制御室の作戦テーブルの前で実施主任がオペレーションを見守る。
テスト時には最大でも50パーセントだったが、氷衛星への発射テストで威力は確認済み、今回は倍の出力で揚陸艦を迎え撃つ。
基地は木星極軌道を周回し、木星の磁力線に沿った高エネルギー帯を通過、電力エネルギーのレベル表示が徐々に上昇してゆく。
50パーセントの表示はあっという間に過ぎ、数字はさらに増えてゆく。電力貯蔵用のキャパシタの単体試験では200パーセント負荷をかけても
十分耐える事は確認済みだが、実施主任は緊張した表情でレベル表示を見つめ、オペレーターのチェックリスト読み上げに反応する。
90パーセントを超えたところで電圧限界のアラートがディスプレイに表示されて、オペレーターが判断を求めてきたが、
10秒ほど考えて実施主任は続行を指示した。すぐにセンサーの誤検知だということがわかり、実施主任の正しい判断に理沙はほっとした。
1号機のエネルギー充填は無事完了し、残りの2基も問題なく充填が完了した。揚陸艦を迎え撃つ準備はこれで完了した。