あらすじ_24_13

核融合燃料輸出の停止以来、世論は木星の人々への憎悪が支配的になっていたが、非難の応報合戦での互いの発言と態度、
隠ぺいしようとしていた揚陸艦派遣の件が空気を変えた。2日前の理沙の会見での発言がさらに雰囲気を変え、世論は大きく二分された。
その間にも揚陸艦は着実に木星へ近づき、ついに木星の管制圏内に到達した。揚陸艦の兵装の能力が不明なため、理沙は常時最高警戒態勢を敷き、
レーザー発振基地は揚陸艦にターゲットを設定した。ただし有効射程距離内には到達していないので単なる準備でしかない。
木星の磁力圏内に入り、船体がプラズマに包まれて兵装使用が不可なところがねらい目だと考えていたが、先に手を出す事だけは避けたかった。
ぎりぎりまで待ち、攻撃されたところで最大出力で一気に攻撃することにした。中央制御室の作戦テーブルには揚陸艦の位置情報が表示され、
揚陸艦が木星周回軌道に入るまでの想定時間がカウントダウン表示されている。理沙の当直の時間が終わり大佐に指揮を引き継いだが、
自室に戻っても、部屋の壁面ディスプレイはつけたまま。自室からでも指揮が可能なように常に準備だけしておくことにした。



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