あらすじ_24_16
木星の強烈な高エネルギー帯を通過している間は、こちらからは手出しができない。その分攻撃されるリスクがあり、揚陸艦の艦長は警戒していた。
船内では第一次の攻撃態勢の準備として、レーザー砲と核ミサイルの準備が進められていた。次の段階で接近戦になることも考慮し、
上陸艇の準備も既に完了しており、1時間以内に出発できるように兵員も部屋で待機していた。あとは攻撃命令待ちである。
艦長は作戦テーブルの前で、3人の作戦班隊長と攻撃シナリオを再検討し、どのような不測の事態の場合でも作戦が継続できるように
考えられる問題について洗い出した。今まで宇宙空間や居住地での制圧目的の作戦はあったが、今回は規模と難易度の点で今までと全く異なっていた。
少なくとも、艦対艦の戦闘について実戦経験はなく、大出力のレーザーを使用するのも初めてだからだった。さらには核ミサイルを使用した場合の
敵味方双方のダメージもよくわかっていない。やがて揚陸艦は高エネルギー帯を抜けて木星周回軌道への移行を完了した。
核ミサイルを発射装置に装填し、有効射程距離に届いていないがレーザー発振基地に向けレーザー砲のターゲットを設定した。