あらすじ_24_20

同じ頃、揚陸艦内でも突然の異常事態に何が起こったか理解できず中央制御室は混乱していた。火器類は指示に反応しないため全く使えず、
接近戦のために上陸艇を使いたくても操作ができない。しかしそれ以外の船内システムには全く異常はなく、状況の確認のために艦長は
理沙に対して連絡をとった。理沙ははじめて対面した艦長を前にして、システムが全く反応しない状況を正直に伝え、事務的な口調で一時停戦を伝えた。
しばらく無言のまま、互いに画面越しに見ているだけだったが、やがて2人は笑みを浮かべ、艦長は一時停戦を了解した。
中央制御室のオペレーター、直子、大佐は呆気に取られていたが、特に事態の進展もないままに互いに約束した24時間が経過した。
戦争は再開されないかった。ふと気がつけば理沙と直子のシステム権限は消失し、指揮命令すらできないただの人になっていた。
やがて地球対木星の対立の構図は混乱のなかにうやむやとなった。地球でも何事が起ったのかとの罵声が大統領に向けられ、
確かな原因もわからないまま大統領は緊急会見を行うことになった。世の中のシステムは表向き正常に稼働しているにもかかわらずである。



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